肉離れについて

このような悩みは
ありませんか?

  • 歩く・走るなどの動作が痛くてできず、日常生活や競技に支障が出る
  • 再発しやすく、治っても思い切り動くのが怖くなる
  • 練習や試合を休まざるを得ず、チームに迷惑をかけてしまう不安がある
  • 治療・リハビリ期間が長く、思うように回復しないことへの焦りがある

 

肉離れの原因について

肉離れとは、筋肉が急激に収縮・伸展された際に、筋繊維が部分的または完全に断裂するケガのことです。特に太ももやふくらはぎなど、瞬発的な力がかかる筋肉に多く発生します。運動中に「ブチッ」とした感覚や鋭い痛みが走るのが特徴です。

原因は単純な「使いすぎ」だけでなく、複数の要因が重なって起こることが多いです。それでは、肉離れの原因について説明していきます。

 

急激な筋収縮(遠心性収縮)

筋肉が「伸ばされながら力を入れる」動き、これを遠心性収縮といいます。この動きは、筋繊維に大きな負担をかけます。例えば、ダッシュの加速・減速、ジャンプの着地、サッカーやバスケでのストップ&ターン動作があります。

こういった場面では、筋肉が強く引き伸ばされながら収縮しており、負担が限界を超えると筋繊維が「ブチッ」と切れてしまうのです。

 

筋疲労の蓄積

運動やトレーニングの継続で筋肉が疲れてくると、筋肉の「伸び縮み」や「衝撃の吸収」がうまくできなくなります。特に疲労した筋肉は反応が遅れたり、収縮力が低下しているため、強い動作に耐えきれず肉離れを起こしやすくなります。

 

柔軟性の低下・ウォームアップ不足

筋肉が硬くなっていると、伸びにくく、急な動きに対応できません。準備運動やストレッチを怠ると、筋肉が十分に温まっておらず、弾力性も失われています。これにより、ちょっとした動きでも筋繊維が損傷しやすくなります。

 

筋力バランスの不均衡

特定の筋肉だけが鍛えられていて、拮抗する筋肉(反対の動きをする筋肉)が弱いと、動作時にアンバランスな力が加わって筋肉に余計な負担がかかります。

例えば、太もも前(大腿四頭筋)ばかり鍛えて、太もも裏(ハムストリングス)が弱い・利き足だけ使うスポーツで、左右差があることが挙げられます。こうした筋力のアンバランスも肉離れの大きな要因です。

 

寒冷環境や水分不足

寒い環境では筋肉が収縮して固くなり、ケガのリスクが高まります。また、水分不足や電解質(ミネラル)不足も、筋肉の収縮調整がうまくできず、痙攣や肉離れにつながることがあります。

 

肉離れの症状について

肉離れは、発症した瞬間から痛みがハッキリしていることが多く、発生した筋肉や損傷の程度によって症状の重さが異なります。それでは、主な症状について説明していきます。

 

発症時に「ブチッ」「ピキッ」という感覚や音がある

多くの人が「瞬間的に切れた感覚」をはっきりと感じます。これは筋繊維が急激に断裂したためで、場合によっては小さな「音」や「引きつれるような感覚」を伴うこともあります。

 

鋭く、局所的な痛みがある(ピンポイント)

シンスプリントと違い、痛みは1点集中型です。具体的には、ふくらはぎの真ん中・太もも裏(ハムストリングス)の中央〜上部・太もも前(大腿四頭筋)の中央部などに、「ズキッ」と刺すような痛みが発生します。

 

筋肉に力が入らず、動けなくなることがある

肉離れは、特に中〜重度の場合、歩いたり走ったりすることが難しくなります。ふくらはぎの肉離れでは「つま先立ち」できない、ハムストリングスでは「膝を伸ばせない」など、筋肉が働かなくなることがあります。

 

腫れや内出血(あざ)が出ることもある

損傷の程度が大きい場合、出血によって皮膚の下に血液がたまりやすくなります。特に、腫れて盛り上がる・赤紫〜青紫のあざが広がる・触ると熱感や圧痛があるなどの症状が見られます。これは筋繊維の断裂に伴う血管損傷によるものです。

 

痛む範囲が徐々に広がることもある

肉離れの初期は痛みの中心が明確でも、出血や炎症が周囲に広がることで、数時間〜数日後に痛みの範囲が広がることがあります。見た目には、腫れが拡大したり、足首の方まで内出血が降りてくることも。

 

筋肉に「へこみ」や「硬いしこり」が触れることがある(重度)

重症の肉離れでは、断裂した部分にくぼみができたり、筋肉が丸まって「しこり状」になることもあります。これは完全断裂が疑われる所見で、早急に病院での対応が必要です。